【見通し】(東京市場 為替) 神経質さは残るが、比較的落ち着いた展開か
2014年08月18日 08:06

15日のNYタイムでは、ウクライナ情勢の緊迫感が一段と高まり、リスク回避ムードが強まった。ウクライナ大統領府は、国内に侵入したロシア側の装甲車を攻撃したと発表した。ドル円は、「2018年までインフレ率2%達成は難しい」とのハト派な米ミネアポリス連銀総裁の発言も手伝って、3日ぶりの安値102.13円まで急落。ユーロ円も137.61円から136.80円前後まで下落した。ユーロドルは、米長期金利が2.3%付近へ低下し始めた局面で1.3412ドルまで上昇したが、その後は1.33ドル後半へ押し戻された。一方で、地政学リスクの高まりを受けて、スイスフラン(CHF)は上昇。ドルCHFは0.9024CHFまでCHF高が進んだ。そのほか動きが目立ったのは加ドル。加統計局が、8日に発表された7月の雇用データの就業者数を+4万1700人(前回発表時は+200人)へ修正したことで、ドル/加ドルは1.0861加ドル、加ドル円は94.52円まで加ドル買いが先行。その後はウクライナをめぐる緊張の高まりから、ドル/加ドルは1.0919加ドル、加ドル円は93.55円まで加ドルは売り直された。
週明けの東京市場でも、ウクライナをめぐる混乱の流れは尾を引くだろう。ただ、ウクライナ情勢をめぐりロシア・ウクライナ・ドイツ・フランスの4カ国外相会談が開催されるなど、事態打開に向け関係国が歩み寄る姿勢を示していることから、いったんはリスクオフ・ムードが緩み、ドル円・クロス円は買い戻しが進む可能性はある。とはいえ、この間にもウクライナ軍と武装勢力との戦闘が続くなど、直ちに状況が好転するかどうかは不明だ。ここから先しばらくは、ウクライナに関するニュースが少ない時間帯となるため、先週末の市場の動揺は徐々に落ち着くことになりそうだが、地政学的リスクが払しょくされていないことから、市場に神経質な雰囲気は残り、ドル円・クロス円の方向性は見極めづらいだろう。

