【見通し】(東京市場 為替) 流れ鈍いがドル円・クロス円は底堅いか
2014年08月14日 08:00
NYタイムではドル円が約1週間ぶりの高値となる102.55円まで上値を伸ばした。冴えない米小売データで、長期金利の低下を伴いながら下押す場面もあったが、株高を背景にリスク選好寄りの円売りが次第に優勢になった。ユーロドルは1.34ドル前半までの反発から、ドル円上昇によるドル高に押されて前日とほぼ変わらない水準へ反落。英四半期インフレレポートで年内の利上げ期待がしぼんでいたポンドは、対ドルが4月半ば以来の安値1.6686ドルまで下値を切り下げた。
実需勢に加え、市場参加者の多くが夏季休暇中とあり、東京タイムでは大きな値動きが見込みづらいと想定する。前日は米小売データの伸び悩みを背景に、早期利上げ期待が後退して米株が上昇。その恩恵を受けてドル円は下値を切り上げたが、金利低下を背景にドル高がさらに強まりそうな地合いでもなく、ここからの上昇には新たなテーマが必要になってこよう。ただ、米国がイラクへの空爆を継続させ、露軍のウクライナ国境付近での動向が懸念されるなかでも、ある程度の不安を織り込んでリスクオフの動きが消化されたことを考えれば、市場は地政学的な材料に対してはポジティブな側面に反応しやすくなってくることが想定される。流れ自体は限定的ながら、ドル円やクロス円には底堅さが確認できるか。