【見通し】(東京市場 為替) 次第に冷静さを取り戻していく展開へ
2014年10月16日 08:00
NYタイムではドルが全面安。一連の米経済指標の弱さも背景に、米株安や長期金利の低下が加速したことが背景となった。ドル円は米株の急落や米長期債利回りの大幅低下を眺めながら一時105.20円まで急落。9月8日以来の安値をつけた。ユーロドルは1.2888ドル、ポンドドルは1.6068ドル、豪ドル/ドルは0.8859ドル、NZドル/ドルは0.7994ドル、ドル/加ドルは1.1227加ドルまで対ドルで上昇。クロス円は売りが先行したが総じて下げ渋り、ユーロ円は135.16円から135円後半へ、ポンド円は168.03円から169円半ばまで切り返した。
東京タイムではイベントが限られており、アジア市場の株価や時間外の米金利動向を眺めた動きが先行しそう。世界経済の見通しが不安定さを増すなかで、金融政策面での優位性や米景気の強さを支えに進んでいたドル高に歯止めがかかった。エボラ出血熱の感染者拡大への懸念なども市場心理を冷やしている。ただ、昨日の急激なドル売りや株安、金利低下といった一連のリスク回避的な動きはNY序盤でいったん収まっている。アルゴリズム売買も絡めて値動きのスピードが速まった印象もあり、ダウ平均は16000ドル、米長期金利は2%の節目をそれぞれ回復させるなど、パニック的な動きは続いていない。ドル円も105円前半の滞在時間は非常に短く、下ヒゲをつけたチャートパターンからは目先の安値をつけた可能性も考えられよう。関連市場の動向次第だが、徐々に冷静さを取り戻していく展開を予想する。