【見通し】(東京市場 為替) 月末フローで振幅も基本は様子見か
2014年10月29日 08:00
NYタイムは円安。米消費者信頼感指数が7年ぶりの高水準を記録したほか、企業の好決算を受け株価が堅調だったことで、リスク選好的な円売りが強まった。ドル円は、予想外のマイナスとなった米耐久財受注を受けて、今週の国内総生産(GDP)速報値への影響が意識され、107.69円まで売りが先行した。しかし、消費拡大への期待や株高を好感した流れから、取引一巡後は108.20円へ反発した。クロス円も、ユーロ円が137.81円、加ドル円が96.88円、豪ドル円が95.84円まで上値を伸ばした。また、ユーロドルは前半のドル安が強まった場面で1.2765ドルまで上伸した。
東京タイムでは、本邦の9月鉱工業生産が発表される。市場予想は+2.2%と前月の-1.9%からプラス転換する見通し。足元、経済に力強さがさほど感じられない中で、結果が下振れするようだと、製造業の先行き懸念を通じて日銀への追加緩和圧力が強まり、円の上値を重くする可能性はありそうだ。また、本日のスポット取引は決済日が31日にあたるため、月末に関連した取引が通常よりも増えることが予想される。ドル円・クロス円は、仲値にかけて指標結果をめぐる思惑や実需勢のフローによって振幅する展開はあるだろう。ただ、今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果をみるまで、基本は様子見となりそうなことから、ドル円・クロス円が足元のレンジを大きくブレイクするとは考えづらい。前述したような取引が一巡すれば、徐々にこう着感が広がっていきそうである。