【見通し】(東京市場 為替) 日銀総裁の会見に注目

2015年02月18日 08:00

NYタイムはリスクオンの円売りが優勢。ギリシャ政府が18日にも、ユーロ圏に6カ月の融資延長を要請する可能性が報じられたことで、平行線をたどっていた債務協議に一定の妥結がみられるとの期待感が高まった。ドル円は2.15%付近まで上昇幅を拡大させた米長期金利や、プラス圏へ持ち直した米株価動向を受けたリスクオンムードのなか、一時119.42円まで高値を塗り替えた。ユーロ円は136.22円、ポンド円は183.40円、豪ドル円は93.38円、NZドル円は90.11円、加ドル円は96.42円まで一段高。ユーロドルは1.14ドル付近で底堅い動きとなった一方で、ポンドドルは英インフレ指標の下振れを嫌気した流れを引き継ぎ1.5317ドルまで弱含んだ。
 
東京タイムでのドル円・クロス円は底堅い動きとなるか。ギリシャが本日にも救済合意の6カ月延長を申請する可能性が高まり、リスクオフへの警戒感は後退している。本日は日銀金融政策決定会合の結果公表と、黒田日銀総裁の記者会見が予定されている。今回の会合では金融政策の現状維持が見込まれているが、年内に追加緩和を実施するとの見方を持っている市場関係者も多い。ただ、円安に対する反発も強く、追加緩和に踏み切るのは困難との見方も増えている。先週、日銀関係筋の一段の追加緩和は逆効果を招き、追加緩和はさらなる円安を引き起こし消費マインドが悪化すると、追加緩和に否定的な見解が報じられた。黒田日銀総裁は、インフレ期待の高まりに伴った円安は必然との考えを持っており、同総裁が追加緩和に否定的な見解を示す可能性は極めて低いが、円安で中小企業が苦しみ、低所得者に悪影響を与えており、追加緩和への逆風も強い。