【見通し】(東京市場 為替) 日銀会合は無風 ドル円は上値の重さ先行か
2014年08月08日 08:00
NYタイムは円高やユーロ安。米雇用指標の良好な結果を受けたドル円の反応はわずかにとどまった。市場を刺激する新たな材料はなかったが、地政学的リスクを警戒した足元の株安・長期金利低下のトレンドを嫌気する格好でドル円は102.00円まで水準を下げた。ポンド円は171.71円、豪ドル円は94.58円、加ドル円は93.35円まで円高推移。ユーロはドラギECB総裁が会見で、ウクライナ問題が域内経済に与える悪影響を示唆したことや、長期的な欧米の金融政策のコントラストの相違を強調したことが重し。対ドルは1.3337ドルと直近安値圏へ値を沈め、ユーロ円も136.27円まで弱含んだ。
本日は日銀金融政策決定会合の結果公表が予定されているが、政策の変更を見込む向きはほぼなく無風で通過しそうだ。午後の黒田総裁会見にもサプライズはないだろう。動きがあるとすれば豪準備銀行(RBA)四半期金融政策報告や、中国7月貿易収支を受けた豪ドル中心の展開か。中国の年初来の輸出の伸びは前年比+0.9%と、昨年同期の同+10.0%を大きく下回っている。昨年の水増し取引に伴うマイナスのベース効果剥落も背景に今後の持ち直しが期待できるが、いく分改善している輸入の鈍化などがセンチメントの悪化につながる可能性には注意したい。また、前回のRBA四半期報告と、直近の理事会後の声明内容に目立った変更は見受けられないものの、スティーブンスRBA総裁が豪ドル高への不満と下落の可能性を示唆しているだけに為替レートに関する見通しを注視したい。
そのほか、前日の午後の取引中に、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による、日本株ポートフォリオ引き上げの可能性を材料にして反発に転じた本邦株価は、その反動や欧米株安もあってマイナス圏での取引が想定される。この手の話題に関心の高かった海外勢が円売りの流れを引き継がなかったこともあり、ドル円やクロス円には上値の重さが先行することになりそうだ。