【見通し】(東京市場 為替) 日米欧のインフレ指標に注目
2014年08月29日 08:04

NYタイムでは、ウクライナ情勢を背景にしたリスク回避の流れは一服。ただ、警戒感が残るなか、米経済指標の好感できる内容に市場は反応しきれないなど、ネガティブなムードは払しょくできない状態。米4-6月期国内総生産(GDP)・改定値は+4.2%と、速報値の+4.0%から上方修正された。同個人消費も予想を上回ったほか、新規失業保険申請件数は2週連続で20万件台へ減少。7月中古住宅販売保留件数指数も前月比での伸びが予想以上となるなど総じて良好な内容だったが、ドル円は103.90円前後が戻りがいっぱいで、ユーロ円も137円手前まで反発したが失速。ユーロドルは1.3159ドルまで下値を拡大したが、直近でつけた年初来安値を前に下げ止まった。
東京タイムでのドル円は103円半ばから103円後半を中心にやや上値の重い動きが予想される。米経済指標は良好な結果が続いており、ドル円の下押し局面では押し目買い意欲も強く下値は限られそうだが、地政学リスクへの警戒感から上値も重いだろう。ウクライナでは、国境を越えたロシア正規軍が南東部ノボアゾフスクと周辺の町を制圧。北大西洋条約機構(NATO)によると、1000人以上のロシア兵がウクライナ国内に侵入している。メルケル独首相はEUサミットで対露制裁強化の可能性を協議すると発言するなど、露とウクライナ・欧米との緊張は続きそうだ。また、本格的な夏休み明けは来週からで、それまで積極的な取引は手控えられそうだ。本日は日欧米でインフレ関連の指標が発表される予定。各国の金融政策動向を占う注目の指標であり、市場予想と大きなかい離が生じれば、動意につながるだろう。

