【見通し】(東京市場 為替) 日米で注目イベントもなく、小幅調整が主導か

2014年06月20日 08:00

NYタイムでは、次第に米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル安を巻き戻す動きが強まった。米財務省が実施した米30年物インフレ連動債入札で、最高落札利回りが直前の市場予想から上昇。一定の需要から倍率自体は前回を上回っていたものの、入札後は市場のインフレ期待上昇も背景に、幅広い年限で米国債が売りに押された。為替市場では米金利上昇を背景にドル高地合いが強まる結果に。10年債利回りはFOMC後の低下幅を完全に埋めきる水準まで上昇した。ただ、ドル円は米金利上昇・ドル高のなかでも102円の大台を回復することなく推移。利益確定の売りに上値を抑えられた米株価の動向を嫌った節もあったようだった。ユーロドルは直近高値を塗り替えた1.3644ドルから1.36ドルちょうど付近まで失速。豪ドル/ドルは0.9391ドル、NZドル/ドルは0.8704ドルまで下値を広げる場面があった。ポンドドルは、英金融当局者のタカ派な発言も後押しに一時1.7063ドルまで買いが先行し、2008年10月以来の高値をつけた。
 本日は日米で主な経済指標や注目のイベントの予定もなく、週末要因も加わり、為替相場は調整主導の小動きが予想される。米雇用統計とFOMCをこなすもドル円に方向感が出ず、ボラティリティは低下したまま。この先もしばらくはこの「盛り上がらない相場展開」が続きそうだ。FOMCでは大きなサプライズはなかったものの、今年の経済成長率、長期金利見通しを下方修正した。米経済の長期的な潜在能力に対する自信が後退している兆候も見られる。イエレンFRB議長は米景気回復が強まっている一方、金融緩和策を長期にわたって続けるとの見通しを示しており、足もとのドルは一方向に動きづらい。昨日の米長期債利回りが上昇し、FOMC後の下げを取り戻したことを支えに東京タイムでのドル円は底堅い動きになりそうだが、上値も102円前半止まりと見込まれ、101円後半-102円前半でのレンジ相場が継続しそうだ。昨日に1月以来の高値水準まで上昇した日経平均の動きには注目したい。
 
 
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