【見通し】(東京市場 為替) 多岐に及ぶ不安因子見極めで、動きづらいか
2014年08月12日 08:11
NYタイムの為替は小動き。米株価がプラス圏で推移し安心感を誘ったものの、欧州株がすでに同様の底堅さを見せる中で、新たに為替相場を動意づかせるには至らなかった。ドル円は終盤に102.23円とわずかにレンジ上限を広げたが、値動きに勢いはなかった。ユーロドルはロンドンタイムからの対ポンドでのユーロ安の流れを引きずり、1.3381ドルまでじり安。一方で、ポンドドルは1.6796ドルまでじり高となったが強い方向感は出なかった。ユーロ円は136円後半でもみ合い、ポンド円はもち合いを抜けて171.62円まで小幅高も一時的な動意にとどまった。
東欧や中東の地政学リスクはなんとか小康状態を保っている。しかし、ロシアがウクライナ国境に4.5万人ほどの兵力を再集結しているとの報道のほか、中東情勢においては、米国の空爆によってイラク情勢が安定化に向かうのか、原油価格に影響が出るのかどうかなど不安要素はそこかしこに散らばっている。
また米国についても、フィッシャーFRB副議長が「住宅セクターやさえない外需が引き続き景気回復の重しになる」と指摘したほか、「生産性の低下がどの程度回復するかは不透明」との見解を示すなど気になる点はある。一方、国内でも振るわないマクロデータが目立ち始めて先行き不透明感が強まっており、見極めが必要な部分は多岐にわたる。国内外の不安因子が少しでも解消に向かわなければ、リスクオン・ムードも広がってこないだろう。こうした中、市場参加者の一部がお盆休み入りして取引が活発化しにくい東京タイムでは、様子見がメインシナリオになりそうだ。ドル円・クロス円は足元レンジでの取引が続くか。