【見通し】(東京市場 為替) 基本様子見もイベント前の調整に留意
2014年09月04日 08:02
NYタイムは、ロンドンタイム序盤に「ウクライナとロシアが停戦で合意」との報道を受けて強まったリスクオンは一服した。ロシアは戦争当事国ではないとして停戦合意を表明していない。ウクライナのヤツェニュク首相が悲観的な見解を示したことも意識された。ドル円は、2.4%付近まで低下した米長期金利に連動し、105.10円付近から104.72円まで下落。クロス円も伸び悩み、ユーロ円は137.69円、ポンド円は172.38円まで水準を下げた。一方、ドル高の流れ小休止で、ユーロドルは1.31ドル半ば、ポンドドルは1.64ドル半ばで底堅かった。豪ドルは上昇幅を拡大。東京タイムの講演でスティーブンスRBA総裁が、「政策金利を通じ住宅価格をさらに押し上げるのは賢明ではない」と、追加緩和の可能性が低いとの認識を示したことが引き続き材料視された。豪ドル/ドルは0.9351ドル、豪ドル円は98.14円と昨年5月以来の高水準まで上昇幅を広げた。加ドルもしっかり。加政策金利は予想通り1.00%で据え置かれたが、カナダ銀行は声明で経済に対し前向きな見方を示した。ドル/加ドルは1.0871加ドル、加ドル円は96.49円まで加ドル高となった。とはいえ「インフレリスクは均衡」としており利上げ期待は強まらず、加ドル買いの流れは限られた。
東京タイムは、日銀の金融政策発表待ちの様子見でスタートしそうだ。もっとも政策発表自体も、今夜に英欧金融政策発表、週末に米雇用統計と、より重要視されるイベントを控えるなかでは大きな動きにつながりにくい。豪経済指標の発表が予定されており、豪ドルの動意を誘う可能性はあるが、他通貨にさほど影響を及ぼさないだろう。株価も米株式市場がまちまちで引けたこともあって動意は鈍そう。ただ、イベントを控え、株価や円相場のポジション調整が進む可能性には留意しておきたい。