【見通し】(東京市場 為替) 基本様子見、中国次第でリスク回避が進行も

2014年09月24日 08:00

NYではドル買いが盛り返した。月末・四半期末を控え調整含みになりやすい一方で、米金融政策の動向を見据えたドル買い圧力は健在だった。ドル円は、ロンドンタイムに108.25円まで調整が進んだ後に109.00円へ切り返した。ユーロドルは反落。ユーロ圏の経済成長に対する不透明感が意識され、1.2901ドルを高値に1.28ドル半ばへ押し戻された。また、加ドルやオセアニア通貨は軟調。中国の成長鈍化懸念が意識されて、ドル/加ドルは1.1084加ドル、豪ドル/ドルは0.8831ドル、NZドル/ドルは0.8042ドルまで資源国通貨安。対円でも、豪ドル円は96円前半、加ドル円は98円前半、NZドル円は87円半ばで上値が重くなった。また、米株価指数は軟調だったが、関連市場の動向に対する為替の反応は薄かった。
 
東京タイムでは、ジョージ米カンザスシティ連銀総裁の講演があることから一応注目したいが、同総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有しておらず、それほど手掛かりにはならないだろう。それ以外は目立ったイベントがなく、仕掛け的な取引は見送られる公算。リスク回避の流れによって、円買いが意識される場面はあるかもしれないが、海外市場ですでに織り込んだ節もあり、ドル円・クロス円の方向性は見極めづらいか。また来週の中盤以降、欧州中央銀行(ECB)理事会や米雇用統計など主要なイベントが続くことも、投資家の様子見姿勢を強める可能性はある。
 
ただ、成長鈍化が懸念される中国をめぐる不安が拡大した場合は、オセアニア通貨中心にリスク回避の円買いが進むことも想定され、中国市場への警戒は怠れないだろう。豪ドルは、対ドルでは鉄鉱石価格の下落に連動するように上値を切り下げている。その鉄鉱石価格は5年ぶりの安値水準へ下げており、豪ドルには下押し圧力がかかりやすくなっている。