【見通し】(東京市場 為替) 地政学リスクで、ドル円伸び悩むか

2014年06月16日 08:00

先週末のNY市場では、円やユーロに対してドル買いがやや優勢となったものの、目につくような値動きはなかった。イラク情勢の悪化を背景とした原油高は一服気味で、エネルギー高に対する警戒感は緩み、米株式市場は反発した。米長期債利回りは上昇後に伸び悩み。発表された米生産者物価指数(PPI)は前年比でやや加速しつつあるものの、市場予想ほど伸びなかった。米ミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回り、2カ月連続低下した。弱い米経済指標に対する反応は限定的だった。ドル円は102.14円、ユーロドルは1.3521ドルまでドル高に振れた。ユーロドルは1.35ドル後半まで戻した後、視線は下方向に戻っているが、週末とあって積極的なユーロ売りは限定的。ポンドドルは1.69ドル半ばで高値もみ合い。
 先週のドル円はレンジ相場を継続させるも、やや重い動きで一時101.60円まで下押した。週末には102円大台を回復するも102円前半で伸び悩んだ。本日の東京タイムでは、目立つイベントは予定されていないが、イラクやウクライナの地政学リスクへの警戒から、ドル円はやや上値の重い動きとなりそうだ。イラク軍は過激派が掌握する拠点を空爆し多数の武力勢力を殺害、米国防省はイラク国内の米国民の生命・利益を守るために空母を派遣したとのニュースが伝わるなど、イラク内戦のリスクが高まっている。また、ウクライナ東部での武力衝突も激化しつつあるなど、ウクライナ情勢への警戒感も緩めない。ただ、今月末に発表予定の安倍政権の新成長戦略、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革への期待感はドル円の下支えとなり、東京タイムでは101円半ば-102円前半でのレンジ相場が予想される。先週、早期利上げ期待感を背景に強含んだポンドは、堅調地合いが継続しそうだ。ポンドドルは2009年8月以来の1.70ドル大台回復となるか注目したい。
 
 
XEMarkets 口座開設