【見通し】(東京市場 為替) 国物価指数に注目も、さえない相場展開続くか
2014年06月10日 08:22
NYタイムでは、ドルが買われた。米長期債利回りが2.62%付近まで上昇したことがドル買いを誘ったほか、欧州中央銀行(ECB)理事会を通過した後のユーロドルは21日移動平均線で上値が抑えられており、全般的なドル高をけん引。ECBによる超過準備や預金ファシリティに対する実験的なマイナス金利政策が、ユーロからの一部資金流出という形で具体化しつつある可能性はある。ただ、イタリアやスペイン、ポルトガルなど周辺国の国債は本日も堅調で、資金がECBの望むような方向に向かっているかどうか不透明だ。ユーロドルは1.3582ドル、ポンドドルは1.6784ドルまで軟化。ドル円は対主要通貨のドル高を背景に102.60円付近まで水準を切り上げたが、値動きは限られた。
本日も東京タイムでは動意に欠ける相場展開が継続しそうだ。先週にECBの金融緩和と米雇用統計をこなして、足もとでは手がかり材料が乏しく、ドル円は引き続き102円半ばを中心に102円台での動きが予想される。米10年債利回りが2.60%付近に水準を切り返していることや、世界的な金融緩和環境に加えて、米景気回復への期待感が強まり、米株が連日高値を更新するなど、日米株高はドル買い・円売りの支援材料となっている。また、本邦のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用方針の見直しや、法人減税措置の進展によるアベノミクス相場再燃への期待もドル円の下支えになるなど、円高に振れる素地は限られているが、ドル円が一段高となるには新しい手がかりが必要となるか。また、ユーロはECB理事会を通過した後の買い戻しは一巡し、追加緩和への思惑を背景にじり安の展開となりそうだ。東京タイムでは、中国の消費者物価指数、生産者物価指数の発表が予定されており、結果次第では当局による金融緩和や景気刺激策への期待感が強まる可能性もあり、注目したい。