【見通し】(東京市場 為替) 円安余地はまだ十分か
2014年11月04日 08:07
週明けのNY市場では円安の流れが継続。ドル円は114円を回復させると、2007年12月以来の高値を114.21円まで更新した。ポンド円は182.53円、豪ドル円は99.40円、加ドル円は100.97円まで年初来高値を更新し、ユーロ円は142.56円、スイスフラン円は118.23円、NZドル円は88.24円まで買われるなどクロス円も一段高。また、強い米ISM製造業景況指数でドル買いも入り、豪ドル/ドルは0.8678ドル、NZドル/ドルは0.7698ドル、ドル/加ドルは1.1377加ドルまで対ドルで下落。ユーロドルは1.24ドル後半へ水準を切り下げ、ポンドドルも英製造業PMIの好結果でつけた1.6023ドルから1.59ドル後半に押し戻された。
先週末の日銀による追加緩和や、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による資産構成変更がもたらした円安は、祝日明けの東京市場まで引き継がれてきた。今回の日銀の措置は、一部の国を除いて世界的にも好感されており、副産物としての円安に対する批判やけん制もまだ少ないだろう。ボラティリティが低下傾向だったここ数年において、ドル円が2日で5円程度の値動きを演じたことは驚きに値するが、過去の推移と比較すればまだ円安余地は十分に残されているといえる。インパクトの大きな材料だっただけに、鮮度が高い間は安易な逆張りは禁物かもしれない。17300円台と大幅に上昇したCME日経先物の動向を受け、日経平均株価も節目を超えて一段高となれば、市場のマインドに与える影響も大きいだろう。
イベント的には、豪州で経済指標の発表や豪準備銀行(RBA)による政策発表が予定されている。ただRBAは当面、金融政策で中立的なスタンスを継続させることを表明しているほか、豪ドルの対ドルでの水準も前回の会合時点とさほど変化がないことから、声明文の大幅な変更も予定されていない。豪ドルの値動きに発展しづらいだろう。