【見通し】(東京市場 為替) 今週も注目は円の動向

2014年11月17日 08:00

先週末のNYタイムはドル安。週末の主要20カ国(G20)首脳会議や財務相会議を控え、ドルが調整売りに押された。この日発表された、米10月小売売上高は総合が前月比+0.3%、同コアも+0.3%と、前月のマイナスからプラスに転じた。また、米11月ミシガン大学消費者信頼感・速報値は89.4と市場予想87.5を上回り、2007年7月以来の高水準となった。ドル円は、米小売売上高の結果公表直後に116.83円と約7年ぶりの高値を塗り替えた。一方で、ユーロや資源国通貨は堅調。ユーロドルは1.2398ドルまで下落後に1.2547ドルまで反発し、5日以来の高値をつけた。豪ドル/ドルは0.8648ドルを安値に0.8773ドルまで高値を塗り替えた。また、ユーロ円は2008年10月以来の高値となる145.84円を示現。スイスフラン円は121.41円、豪ドル円は101.92円、NZドル円は92.26円、加ドル円は103.23円まで軒並み年初来高値を更新する通貨が目立った。
 
今週もやはり円の動向が注目されそうだ。本日の本邦GDPと明日に終了する増税の影響を有識者に聞く点検会合結果を踏まえ、消費税引き上げの延期と衆院解散・総選挙に踏み切る可能性が高いと見られている。最終判断が出るまでヘッドラインに振られる相場が続きやすい。消費増税の先送りは株価の上昇に連動した円売り、経常収支悪化と財政健全化の遅れへの懸念を背景とした円売りにつながりやすい。安部首相は、衆院解散・総選挙に関し「私自身は解散に言及したことは一度もない。」と述べたものの、「政策は国民の理解と協力なくして進めることはできない」と強調した。沖縄県知事選で自民党推薦の現職が敗れ、安倍政権は冷や水を浴びせられた。G20(20カ国・地域)首脳会議に参加した安部首相は本日帰国する予定。来年10月に予定された消費税率10%への引き上げを1年半先送りすることと衆院解散を明日表明し、12月2日公示-14日投開票の日程で衆院選を行う見通しとなっている。