【見通し】(東京市場 為替) リスク選好ムードを高めきれない
2014年10月23日 08:03

NYタイムでは米消費者物価指数(CPI)発表後の米長期金利上昇を受けてドルに買いが先行。ドル円は107.38円まで上値を伸ばしたが、米株価の反落がリスク回避的な円買いも意識させ上げ幅を縮小した。ユーロドルは1.2637ドル、ユーロ円も135.45円まで下落幅を拡大。週末に発表される、ストレステストの結果への警戒感も引き続き売り材料だった。加ドルは加金融政策の発表後に買いが優勢となるも失速。NZドルは、RBNZ総裁が金融引き締めの先延ばしが可能であることへの言及もあって、下値を広げた。
東京タイムでは中国10月HSBC製造業PMI・速報値が発表される。先日の同7-9月期GDPは市場予想こそ上回ったが、伸び率は2009年1-3月期以来の水準まで鈍化しており、これまでのような速度での景気拡大は難しいとの印象を植えつけた。製造業PMIは50台で横ばいが続いているが、国内投資の行き詰まりや、欧州景気への不透明感も背景に大幅な改善は見込みにくい。分水嶺の50を割り込むことがあれば、市場全体のセンチメントの悪化を招く可能性もあり警戒したい。
昨日はユーロやポンド、NZドルなどで独自の売り材料があり、米CPIの結果にも支えられてドルが底堅かった。ただ、東京タイムではこうした流れを踏襲するよりは、むしろカナダの銃乱射事件のテロとの関連性も警戒されるなか、米株価が反落して引けた流れからリスク選好的なムードが高まりにくい状況となりそう。
