【見通し】(東京市場 為替) リスク緩和ムードの継続を見極めか
2014年08月11日 08:08
先週末のNYタイムでは、地政学リスクへの懸念が緩み、リスク資産が買い戻された。ダウ平均は180ドル超反発し、米国債は反落した。ドル円は102円近辺まで切り返し、その日の下げ幅を取り戻した。また、ユーロ円は136.95円、豪ドル円は94.72円まで上昇幅を広げた。ただ、米国防総省がイスラム国の砲台を空爆したことで、スイスフラン円が112.77円まで上値を伸ばすなど、リスクオフ・ムードも市場の一部に残存した。
東京タイムでは、本邦の株式市場が米株高や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をめぐる報道を手掛かりに反発が期待される点で、ドル円・クロス円の下値は限られるだろう。公的年金を運用するGPIFが、9月までの暫定措置として、国内株式の保有上限である18%を撤廃したと一部報道が伝えている。ただ、株高の流れは海外時間にある程度織り込まれた節があるほか、13日に4-6月期国内総生産(GDP)発表を控えているため、株価の戻りはあくまでも自律反発の域を出ないだろう。また、東欧や中東の地政学リスクは沈滞気味とはいえ、完全に払しょくされておらず、今後も何かと市場の波乱要因となり得る。積極的にリスク資産を買い進める地合いではなく、ドル円・クロス円は底堅さがある程度増した感はあるが、上値もそれなりに重いだろう。東京タイムでは、目立った経済指標の発表がないことから、まずは先週末の海外時間でのリスク緩和ムードが継続するか見極める時間帯となるか。