【見通し】(東京市場 為替) リスク回避姿勢継続、欧州勢待ちで様子見か

2014年07月11日 08:00

NYタイムは、ポルトガルの銀行大手バンコ・エスピリト・サントの親会社が債務返済を延期した問題で欧州株が下落し、リスク回避の円買いが強まった。ドル円は米長期金利の低下もあって101.06円まで下げ幅を拡大。5月21日以来の101円割れに迫った。米10年債利回りは6月2日以来の水準となる2.493%まで下げた。ユーロ円は137.50円、豪ドル円は94.72円、加ドル円は94.68円までそれぞれレンジ下限を広げ、ユーロドルも1.3589ドルまで下ぶれた。米経済指標では、新規失業保険申請件数が市場予想より改善したが、ポルトガルでの信用不安の話題に隠れて目立たなかった。
 
東京タイムのドル円は、実需フローで下値を切り上げても、上値は重いか。ポルトガル中銀が「同行の支払い能力は堅固で、財務状態は最近の資本増強で大幅に強化されている」と述べたことで、NYタイム後半は不安感がいくらか緩和している。ドル円は、実需勢の買いなどを支えに短期的には戻りを試す場面は想定できる。ただ、ポルトガルの話題が今後広がりをみせる可能性があるなど、霧が晴れていない。積極的に買い進める状況にもなく、相応に上値も重いだろう。とはえい、今回の信用懸念に関するニュースが、もっぱら欧州タイムに提供されると考えられるため、取引一巡後は欧州勢の参入を待ちながら様子見ムードが広がるか。