【見通し】(東京市場 為替) ドル高の継続性を見極めへ

2014年09月18日 08:00

NYタイムでは米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過してドルが全面高。ドル円は2008年9月以来の108円台乗せを果たして108.39円まで上昇。引け後も騰勢を維持し、オセアニア早朝には108.60円まで上値を伸ばした。声明文では予想されていた労働市場の不活用や、資産買い入れ終了後の利上げ開始までの期間に関するハト派な表現に修正はなかった。低金利長期化を好感して株価が底堅く推移する一方、出口戦略へ向けたガイダンスが提示されたことで米金利は上昇。クロス円もユーロ円が139.63円、ポンド円が176.45円、スイスフラン円が115.33円まで上値を伸ばすなど円売りも入った。豪ドル円も一時97.56円、NZドル円は88.00円まで円安推移。ユーロドルは1.2852ドル、豪ドル/ドルは0.8951ドル、NZドル/ドルは0.8078ドルまで対ドルで下落したほか、ポンドドルも1.62ドル半ばまで失速した。
 
FOMCの経済・金利見通しからは前回より速いペースでの利上げが見込まれる一方、利上げ開始時期に関する不明瞭なスタンスが維持されており市場参加者の見方はまちまち。特に、声明文におけるハト派な表現が修正・削除されるとの思惑が裏切られたにも関わらず、ドル高の勢いが増した動きに、一部からは困惑の声も聞かれている。ただ、日欧が依然として追加緩和の余地を残した政策運営を続けているほか、豪州やNZでは自国通貨高を懸念しながら当面の中立スタンスが示されるなか、金融政策正常化の方針を示したことが素直に歓迎された側面もあろう。ドル円はストップロスの買いも巻き込んで一気に上値を伸ばしており、ここ最近の上昇ピッチからは利益確定の売りが入りやすいともいえる。かたや110円といった節目への到達が現実味を帯びてきた状況下、こうした水準をこなすまではドル高や円売りが入りやすい地合いが続くことも想定できる。目先は足元の動きの継続性を見極める展開となりそうだ。
 
 
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