【見通し】(東京市場 為替) ドル円底堅いが、決算に絡んだ円買いも出やすい
2014年09月30日 08:00
NYタイムでの各通貨の動意は限定的。月末・四半期末を控えて模様眺めムードが優勢だった。週半ばから欧米で注目度の高いイベントが予定されていることも売買を手控えさせている。ドルはロンドンのフィキシング前後にやや売られる場面もあったが、米長期金利の低下が一服したことや、米株価の下げ幅縮小を受けて底堅さを回復させた。ドル円は朝方につけた109.13円から109.50円付近まで反発。ユーロドルは1.2715ドル、ポンドドルは1.6274ドルまで対ドルで強含んだあと、それぞれ前週末の引け値水準まで押し戻された。この日に発表された米8月個人所得は市場予想と一致。同個人消費支出やコアPCEデフレーターは予想をわずかに上回ったが市場の反応は薄い。
東京タイムでのドル円は、昨日のレンジを引き継ぎ109円前半から半ばを中心とした底堅い動きとなるか。ただ、香港の民主化運動が、既に減速懸念の強まっている中国経済へ与える影響も不安視されており、積極的に上値を追って110円の大台を試す動きにはなりにくいだろう。ドル高基調が続く中、週末に米雇用統計を控え各通貨ともに小動きが見込まれる。また、9月末は日本企業の中間決算期末で、輸出企業の円買いが出やすいことには注意したい。国内では、昨日から臨時国会が召集された。安倍首相は所信表明演説で、デフレ脱却を目指し、「経済最優先」で政権運営にあたると強調した。経済再生と財政再建の両立を目指し、経済の好循環を確かなものにしつつ、消費増税や燃料価格の高騰などの景気への影響は慎重に見極めるとの認識を示した。景気テコ入れの政策期待もドル円の下支えになりそうだ。7-9月期GDPが消費増税の判断材料とされており、これを占う上で本日の雇用データや鉱工業生産など国内経済指標も注目されそうだ。