【見通し】(東京市場 為替) ドル円上値重いか、中国ではGDP発表
2014年07月16日 08:00

海外市場でのドル円は、イエレンFRB議長の証言内容を受け、101.44円まで下押しした後に、101.75円まで反発した。一方で、ユーロドルはポルトガルのエスピリト・サント・グループの経営問題が尾を引き、1.3562ドルまで軟化した。その他では、英国の早期利上げ期待を背景にポンドドルは1.7192ドルまで上昇する場面があった。
議長は半期の証言で「高水準の金融緩和が引き続き適切」、「労働市場にはかなりのたるみが残っている」との見解を示した。その後、質疑応答で「GDP縮小に関わらず、多くの指標は明るさが一段と増している」とした上で、労働市場が予想より速いペースで改善し続ければ「想定しているよりも早期に引き締めが行われる公算」と指摘した。市場は後半の部分により反応した感じだ。
東京タイムでのドル円は、上値が抑制された状態となるか。イエレン議長の証言を受けた市場の反応については、足元の雇用指標で強い結果が続いているため、利上げ時期が前倒しされとの見方はある程度許容できるだろう。しかし、議長が労働市場は健全な状況から程遠いとの認識を示していることを踏まえれば、昨日の値動きはいく分勇み足といった側面が強いとの印象。今晩の下院でのFRB議長の証言や、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容を受けて、昨日のドル高の流れが巻き戻されることも十分に考えられる。こうした点を踏まえれば、ドル円は引き続き102円付近で上値の重さを意識しながらの展開になりそうだ。
また、中国4-6月期国内総生産(GDP)、同6月鉱工業生産・小売売上高の結果がドル円の重しになることもあるか。中国の貿易黒字は改善傾向が続いている。そのため、4-6月期の成長は前期から拡大が期待できる。市場予想は前年比で7.4%増、前期比で1.8%増となっている。一部の地元紙では、前年比で7.5%成長と政府の目標値を達成したと報じるところもある。しかし、外需の回復が緩やかなことなどで先行きへの不透明感は拭いきれていない。成長率目標の達成には追加刺激策を余儀なくされるとの見方もある。結果次第では、豪ドル円中心に円高圧力が高まることも想定される。

