【見通し】(東京市場 為替) ドル円は緩やかに上値を試す展開に持ち込めるか

2014年06月09日 08:11

先週末のNYタイムでは、米雇用統計の結果を受けてドルが主要通貨に対し、底堅い動きとなった。5月の非農業部門雇用者数(NFP)は21.7万人と市場予想並みの増加幅。失業率は前回から横ばいの6.3%。市場予想の6.4%を1p下回った。ここ最近、注目度が高まっている平均時給は前年比では+2.1%で、市場予想の+2.0%をやや上回っている。労働市場の着実な回復をうかがわせる内容となり、ドル円は102.62円まで上値を伸ばし、ポンドドルは1.6781ドル、豪ドル/ドルは0.9319ドルまで安値を更新した。また、加5月就業者数は、ほぼ市場予想通りの2.58万人の増加だった。一方で失業率は7.0%と市場予想や前月の6.9%からわずかながら上昇。発表後、ドル/加ドルは一時1.0948加ドルまで、加ドル円は93.44円まで加ドル安推移となった。
 東京タイムでのドル円は底堅い動きとなるか。先週のドル円は101円後半から102.80円まで上昇した。102円後半では上値が重く、103円大台を試す動きに至らなかった。米5月雇用統計がほぼ市場予想通りとなり、労働市場の緩やかな改善を確認したことが好感され、米株が3日続伸となったことや、米長期債利回りが持ち直し気味に推移していることは、ドル円の下支えとなりそうだ。ドル円は緩やかに上値を試す動きが予想されるが、値動きは相変わらず限られるか。米長期債利回りの低下が一巡し、5月下旬から持ち直しているが、米早期利上げ観測が強まらない現状では方向感が鈍い。米長期債利回りが再び上昇基調に乗らない限り、ドル円は今年に入って続いている「下値は堅く、上値は重い」さえない相場展開が継続しそうだ。東京タイムでは、本邦4月の国際収支と、1-3月期GDP・2次速報値の発表が予定されているが、市場予想と大きくかい離しない限り、為替相場への影響は限られるか。