【見通し】(東京市場 為替) ドル円は横ばい、豪ドルが波乱要因となるか
2014年07月23日 08:03

NYタイムはドル円が失速。米6月消費者物価指数(CPI)で、コアの伸びが前月比・前年比ともに市場予想に届かなかったことが背景。ドル円は、2.50%前後で推移していた米長期金利が2.46%付近へ急低下する動きにあわせて、101.61円から101.33円まで反落。その後は101円半ばまで反発したが、戻し気味に推移していた米金利が再び低下したことで上値は抑えられた。ユーロは続落。ユーロドルは米CPIの発表直後に、これまでの年初来安値だった1.3470ドル台を割り込んで1.3459ドルまで急落。昨年11月以来の安値をつけた。EUがロシアへの追加制裁措置に踏み切るとの観測も、ユーロの重しとなった。ユーロ円も136.58円まで下げた。
昨日の米物価指標では、基調としてのインフレ傾向は確認できたが、FRBの早期利上げ期待を高める結果でもなく、ドル売り・ドル買いどちらか一方向にポジションを傾けづらかった。東京タイムでもこの流れが尾を引き、ドル円は101円半ばで方向性を探る展開となりそうだ。本日は中曽・日銀副総裁の講演があるが、金融政策に言及があっても「物価目標達成に必要ならちゅうちょなく政策を調整する」とのこれまでの内容にとどまり、新味のある材料は出てこないだろう。また、米連邦航空局が安全上の理由で、国内航空会社にイスラエルのテルアビブへの飛行を取りやめるよう要請するなど、地政学的リスクがくすぶっていることも、様子見ムードを強めそうだ。
こうした中で、豪ドル円が相場を動意づかせる展開はあるか。豪州では4-6月期CPIが発表される。市場予想は前年比で+3.0%とインフレが若干進む見通し。ただ、中銀が政策決定においてより重視する基調インフレ率(トリムと加重の平均)は+2.7%と前期から横ばいが見込まれているほか、世界の需要回復が鈍いことから、RBAの目標レンジ上限3%を超えてインフレが一気に進むとの懸念も小さい。早期の利上げ期待が強まるかは不透明だ。このため、発表される数字への思惑が交錯して、複雑な動きとなるかもしれない。

