【見通し】(東京市場 為替) ドル円は月初以来の大台回復となるか

2014年08月20日 08:00

19日の為替市場はドル買いが優勢。発表された米消費者物価指数(CPI)は市場予想並みの伸びだった一方で、市場予想を上回った米住宅建設許可件数や同着工件数がドルを支えした。ドル円は102.94円までじり高。低下していた米長期債利回りは下げ幅を消し、米株式市場は堅調に推移した。ユーロドルは1.3313ドルまで下落し年初来安値を更新。1.3300ドルに観測されるオプションバリアが下支えとなったが上値は重かった。ポンドドルは英物価指標が弱かったこともあって、1.6611ドルまで下落。クロス円では、ユーロ円がユーロドルにつれて136.82円まで弱含んだ後、137円ちょうど付近へ戻した。ポンド円も171円ちょうど付近までの戻りを試すなど、ドル円の堅調さがサポートとなった。
 
昨日は、米国と他の主要国との経済のコントラストが意識されてドル高に振れた。本日のFOMC議事録で、FRBの出口戦略に対する議論が進んでいる様子がうかがえるのではとの期待感も、ドルを下支えした可能性はある。本日は、企業法人の決済が集中する5・10日とあって、仲値需給をめぐる動きからドル円が月初以来の103円台回復を果たすこともあるだろう。クロス円は、対ドルでの動向が上値を抑制する局面も見通せるが、世界的に底堅い株価動向を受けて下値は固そうだ。
 
東京タイムでは、本邦で貿易収支の発表、豪州でスティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁の半期議会証言が予定されている。貿易収支の予想中央値は7139億円の赤字。輸出が3カ月ぶりにプラスに転じる一方で、輸入が2カ月ぶりのマイナスとなることから、赤字額は前年同月(1兆325億円)や前月(8232億円)からは減少が見込まれる。結果を受けた市場の反応は限られるだろうが、輸出の改善が鈍いようなら、日銀の回復シナリオに対する悲観的な見方を背景に、追加緩和観測が強まることもあるだろう。またRBA総裁の議会証言を通じた豪ドル動向が他通貨に与える影響などにも目配りは必要と思われる。
 
 
 
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