【見通し】(東京市場 為替) ドル円の調整下げも一服、模様眺めムードに
2014年10月02日 08:00
NYタイムでは円が全面高となった。米経済指標の弱含みを受けてドルが売られる場面もあったが、株安や米長期金利の低下を受けて円買い戻しが優勢となった。米国でエボラ出血熱と診断された患者が出たことも市場のセンチメントを悪化させ、ダウ平均は一時250ドル安付近まで大幅下落。米10年債利回りは逃避的な債券需要も背景に2.4%割れまで低下幅を広げた。リスク回避の様相を呈するなか、ドル円は下値模索を続けながら引け間際に108.87円まで下値を拡大。クロス円も全面安。ユーロ円は先月10日以来の安値となる137.41円まで、ポンド円は176.19円、豪ドル円は95.10円、NZドル円は84.71円、加ドル円は97.48円までそれぞれ安値を塗り替えた。
米経済指標が連日さえない結果となり、東京タイムでのドル円は上値の重い動きとなるか。ただ、株安や米長期債利回りの低下を背景としたリスク回避の円買いは一巡しており、ドル円の下値は限られそう。もっとも、ドル円が約6年ぶりに110円の大台に乗せた達成感も手伝って調整の下げが進んだ感じもあり、上昇基調は変わらず明日の米雇用統計を控え、模様眺めのムードが強まりそうだ。米株の大幅続落を受けて日経平均も軟調な動きが見込まれるが、すでに織り込んでいる部分も大きく、為替の反応は限定的になるだろう。
本日の注目イベントは欧州タイムに予定されている欧州中央銀行(ECB)理事会と、ドラギECB総裁の記者会見。ECBは前回の理事会で、大方の予想に反して利下げに踏み切った。景気の失速とディスインフレ継続のなかで、ECBが国債を対象とした量的緩和(QE)に踏み切る可能性が高まっているが、今回の理事会では金融政策の据え置きが見込まれる。前回の利下げに関して、ECBメンバーからは「やり過ぎた」との声も聞こえており、今回はサプライズなしで通過する可能性が高いとみる。