【見通し】(東京市場 為替) ドル円、長期債利回りの上昇が下支えも様子見
2014年06月18日 08:00
NYタイムでは米5月消費者物価指数(CPI)の上振れを受けてドル買いが先行した。CPIの総合は前月比+0.4%と昨年2月以来、同コアは+0.3%と2011年8月以来で最大の伸びとなった。前年比ベースも総合・コアともに+2%前後の伸びを示現した。ディスインフレ傾向からの脱却に向けて頭を悩ますユーロ圏や、この日に4年半ぶりの低いインフレ率が示された英国との温度差が鮮明になったことでドルが全面高。米長期金利の上昇もドル高地合いをサポートした。ドル円は11日以来の高値水準となる102.25円まで上昇し、ユーロドルは1.3536ドル、豪ドル/ドルは0.9330ドル、NZドル/ドルは0.8643ドルまで安値を更新した。
東京タイムでのドル円は102円前半を中心に底堅い動きとなるか。5月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る結果となり、連邦準備理事会(FRB)が利上げ時期を早めるとの観測が強まったことを背景に、米長期債利回りが上昇したのはドル円の下支えとなる。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいことからとして様子ムードが強く、値動きは限られそうだ。また、緊迫しているイラク情勢や露・ウクライナのガス供給交渉決裂への懸念は引き続きドル円の上値を圧迫する要因になるだろう。ドル円は、90日移動平均線102.23円や昨日の高値102.25円を超えた水準では上値が重くなりそうだ。海外市場ではFOMCのほかにイングランド銀行金融政策委員会(MPC)の議事録にも注目したい。英5月CPIが2009年10月以来の低水準となりポンド高は一服したが、議事録の内容次第で早期利上げ期待感が強まる可能性はありそうだ。マイルズMPC委員は今回の議事録が、過去5年間にわたり政策金利を過去最低水準に維持してきた政策の出口に近付いていることを示す内容になると示唆した。