【見通し】(東京市場 為替) ドル円、米利上げ期待で底堅い展開

2015年03月09日 08:02

先週末の為替市場はドル全面高。2月の米失業率が約6年ぶりの低水準となる5.5%へ改善したことがドルを押し上げた。ドル円は121.29円まで上昇し、昨年12月8日以来の高値を付けた。一方、ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)による量的緩和やギリシャ懸念が負荷となり、2003年以来の安値水準となる1.08ドル前半まで失速した。
 
2月の米平均時給は前月比で市場予想をやや下回る+0.1%にとどまるなど、気がかりな点はあるが、雇用の拡大基調は継続している。市場では、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で「忍耐強く」という文言が削除され、6月利上げに向けた地ならしが始まるとの見方が優勢となっている。米長期金利は12月以来の高水準となるなど、今後もドル高地合いが見通せる中で、ドル円は中期的に底堅さが増した感じだ。
 
1次速報値から変わらないとみられる10-12月期国内総生産(GDP)・2次速報値が、予想に反してさえない結果となれば、米株安も加わって本邦株価にも調整が入り、ドル円の頭を抑える可能性はある。しかしながら、足もとのファンダメンタルズ改善が進捗する中で、日経平均株価がいずれ1万9000円台を回復すると見通せるため、ドル円の下値は限定的だろう。午後に発表される2月景気ウォッチャー調査が、株高・円安の流れを後押しするきっかけとなる可能性もある。また、本邦の金利動向にも注意したい。