【見通し】(東京市場 為替) ドル円 シフトしたレンジでの滞空時間を見極め
2014年10月24日 08:01

NYタイムは、米指標を好感して米株・長期金利が上昇、ドル買いとリスク選好の円売りが進んだ。ドル円は8日以来の高値108.36円までドル高・円安。クロス円も、ユーロ円が137.01円、ポンド円は173.66円、スイスフラン(CHF)円は113.52円、豪ドル円は94.94円、加ドル円が96.43円まで円安推移。NZドル円は、オセアニアタイムからのRBNZ総裁の利上げが不要になる可能性への言及や、弱いNZ消費者物価指数などを重しとした流れを引きずりながらも、一時84.80円台まで水準を回復した。一方、対ドルで各通貨は戻りを挟みつつも上値が重く、ユーロドルは、独・ユーロ圏など欧州製造業PMIの改善を背景に、ロンドンタイムには1.2677ドルまで水準を回復したものの1.26ドル前半へ、ポンドドルも1.60ドル前半へ下押した。
ドル円は最近の下げ幅のほとんどを取り戻す格好で、8日以来の高値圏を回復。108円の大台を維持して本日の取引を迎えている。前回の下げと同様に、昨日の上げも米経済指標の多少の上振れや、欧州景況感の若干の改善以外に目立った材料はない。株式市場のボラティリティの高さも影響していると思われるが、値動きの速さからは参加者の多くがまだはっきりとした方向性を見極めきれていないとの印象も受ける。まずは、大台を上方にシフトした後の底堅さを確認したい。東京タイムでは材料に乏しく、上昇が予想される本邦株価の動向に下支えされつつも、久方ぶりの高値圏での戻り売り意欲に上値を抑えられる展開となるか。週末には欧州銀行のストレステスト結果公表、来週は日米の金融政策イベントも控えている。週末要因も含め、取引一巡後は模様眺めへ移行することも想定できよう。

