【見通し】(東京市場 為替) ドル先高見通しを強める週になる公算も

2015年03月02日 08:04

先週末のNYタイムでは、月末のリバランスに絡んだ円売りでドル円が119.80円まで上昇した。クロス円では、ポンド円が185.01円、スイスフラン円が126.28円、豪ドル円が93.65円、NZドル円が90.60円、加ドル円が95.85円までそれぞれ上伸。ユーロドルはユーロ圏の緩和マネーへの警戒感や、対スイスフランでのユーロ売りで1.1176ドルまで安値を塗り替え、ユーロ円も133.45円まで連れ安で推移した。
 
5日から始まる中国全人代を前に、週末に中国人民銀行は貸出基準金利と預金基準金利の引き下げを実施した。また、同国の2月製造業・非製造業PMIが市場の予想をともに上回る結果となった。流動性拡大期待や景況感の改善を背景に、週明けはマーケット全体でリスクオンの動きが先行する可能性は高いか。
 
ドル円は週末の米2月雇用統計に対する期待感も下支えとなりそう。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に好結果が得られれば、6月の利上げ開始を織り込む動きも進むと思われ注目度は高い。また今週は英欧のほか、豪州やカナダで金融政策の発表が予定されている。英国に限っては今後の利上げが正当化される兆しがわずかにあるものの、ユーロ圏では国債購入が開始されるほか、豪州とカナダでは追加利下げの可能性が残る。引き締めへと舵を切る米国とのコントラストが意識されやすく、ドル高見通しを高めていく週になることも想定されそうだ。