【見通し】(東京市場 為替) スイスフランの衝撃、警戒感残る

2015年01月16日 08:05

NYタイムではユーロやポンドが軟調。スイス国立銀行(SNB)による一連の金融措置の余韻が残るなか、ユーロドルは1.1568ドルまで下値を広げて2003年11月以来の安値を塗り替えた。ユーロ円は米株安・債券高(利回り低下)にともなう円買い圧力も加わり、135.00円まで一段安。スイスフラン(CHF)円の暴力的な値動きには遠く及ばないが、1日の値幅が4円弱の大相場となった。この日の主役となったCHFは、対ドルで0.91CHF台から0.83CHF台へ、対円は128円から138円台まで強含みで推移した。ドル円は序盤に117円台を回復させたが、引け間際に116.15円まで押し戻された。この日に発表された米経済指標は1月NY連銀製造業景況指数が強かった一方で、米新規失業保険申請件数や1月フィラデルフィア連銀製造業指数はさえない結果だったがあまり材料視されなかった。
 
東京タイムでのドル円・クロス円は上値の重い動きが見込まれる。昨日、スイス国立銀行(SNB)が対ユーロでの上限を撤廃したことを受けたCHFの急騰や、リスク回避の円買いは一巡しているが、その衝撃は強く、警戒感が残っている。CHFは1970年代に主要通貨が変動相場制に移行して以来の大きな動きを見せた。主要中銀が外貨準備におけるユーロの比率を低下させる中、SNBは1ユーロ=1.20CHFに設定したCHF上限を守るため、昨年12月に為替介入を再開させるなどユーロ買いを続けたが、来週の欧州中央銀行(ECB)理事会を前に放棄する格好となった。今回のECB理事会では追加緩和への思惑が強まっている。米株の5日続落や、米長期債利回りの低下も重しとなり、ドル円は下値模索が継続しそうだ。足元では、ボラティリティの高い状態が続く可能性が強い。