【見通し】(東京市場 為替) もう一段のドル高調整も視野に
2014年11月10日 08:29

先週末のNYタイムではドル売りが優勢。米10月雇用統計では失業率が6年3カ月ぶりの低水準を示現。農業部門雇用者数も9カ月連続で20万人を上回るまずますの結果だった。だが、早期利上げ期待感を強めるまでには至らず、長期金利の低下を眺めながらドル高に調整が入った。ドル円は雇用統計の発表直前に7年ぶりの高値を115.60円まで塗り替えると、114.25円まで軟化。ユーロドルは1.2470ドル、ポンドドルは1.5887ドルまで買い戻しが進んだ。豪ドル/ドルは0.8657ドル、NZドル/ドルは0.7768ドル、ドル/加ドルは1.1313加ドルまで対ドルで上昇。クロス円は欧州通貨の対円は上値が重かったが、豪ドル円やNZドル円は底堅さを示すなどまちまちだった。
先月末に米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀会合をこなし、先週は欧州中央銀行(ECB)理事会や米雇用統計も通過した。金融政策面で重要視される一連のイベントを終え、各通貨が目先の方向性を模索する時間帯に突入することになるか。引き締めに向かう米国と、緩和を継続させる日欧とのコントラストといったテーマを根底に、ドルの先高感が常に意識される流れには変化がないと思われる。ただ、雇用統計後の動きをみるにつけ、米指標の弱い面でスピード調整が入る環境であることも確認できた。米長期金利の伸び悩みもドルの一段高を想定しづらくさせており、ドル円にもう一段の下押しが生じる可能性も考慮しながら臨みたい。東京市場では中国10月の消費者物価指数や生産者物価指数の結果が発表される。足元の中国物価指数は鈍化傾向が続いている。消費者物価指数は2%を割り込んだ水準が定位置になりつつある。ぶれの程度で、資源国通貨の値動きが大きめとなる可能性にも警戒したい。

