【ニュース】 米ロ、打開策見いだせず=住民投票なら制裁-緊迫するウクライナ情勢
2014年03月15日 08:34
ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相は14日、ロンドンで、緊迫するウクライナ情勢の収拾に向けて協議したが、打開策を見いだせなかった。ラブロフ外相は会談後、クリミア自治共和国で16日に行われるロシア編入を問う住民投票の「結果を尊重する」と主張。ケリー長官はロシアが緊張緩和の道を選ばなければ、制裁を実施すると重ねて警告した。
米ロ外相会談は約6時間続けられた。長官はこの中で、ロシアの利害を踏まえ、クリミアの自治拡大などによる打開策を提案。ロシア部隊の撤収も求めたが、長官によれば、ロシア側は「プーチン大統領は住民投票が行われるまで何も決定しない」と語り、明確に回答しなかったもようだ。
会談後、両外相は別々に記者会見した。長官は「住民投票が実施されれば何らかの制裁も実施される。(しかし、プーチン大統領の決断で)外交の余地が残されるなら、制裁(の強弱)は調整される」と説明。プーチン大統領に平和解決への決断を迫った。
一方、ラブロフ氏は「ロシアにとってのクリミアは、英国にとってのフォークランド諸島以上の意味がある」と国益を前面に押し出した。また、対ロ制裁は「非生産的だ」とけん制した。【ロンドン時事】