【トレード・イメージ】ユーロ/ドル、ユーロ/円 英インフレ報告で他力本願な値動きも

2014年02月12日 15:40

ユーロは米連邦準備理事会(FRB)のイエレン新議長が議会証言で緩和縮小の継続を示唆したことや、米下院が連邦債務上限の適用を来年3月まで停止する法案を可決したことなどがドル高に作用したこと、来月のECB理事会での追加緩和実施の可能性が根強く意識されるなか、対ドルで戻りが抑えられやすくなるだろう。こうしたなか週末のユーロ圏各国の10-12月期GDPが独自材料として注目されるが、今日は英四半期インフレ報告を受けた対ポンドでの動意に警戒したい。英国ではイングランド銀行(BOE)が自ら設定した利上げの検討を開始する失業率基準7.0%に限りなく迫ってきており、現行の金利水準を維持するためにフォワードガイダンスの強化を実施すると見込まれている。失業率基準を引き下げるよりは就業者数や賃金の伸びなどを評価基準に取り入れる可能性が高く、内容によってユーロポンドの動意が強まる可能性がある。ユーロにとっては他力本願的な値動きになりそうだが、早期利上げ期待の抑制に向けたBOEの決意や信任性が試されるイベントとなり、発表後の市場のアクションが読みづらいことからユーロの動きもボラタイルになる可能性があることは念頭に置いておきたい。
 
・想定レンジ上限
 ユーロドルは前日高値1.3684ドルが目先の上値めど。超えれば日足一目均衡表・雲の上限1.3721ドルや1月24日高値1.3740ドルが意識されよう。ユーロ円も昨日高値140.31円がめどに。上抜ければ先月29日高値141.26円近辺までの上値余地は見込まれる。
 
・想定レンジ下限
 ユーロドルは日足一目均衡表上の基準線1.3608ドル、雲の下限1.3595ドル、転換線1.3580ドルなどが順に下値に控えておりサポートとしてそれぞれ意識されるか。1.3581ドルには直近の上げ幅の半値押し水準も位置している。ユーロ円は短期的には5日移動平均線139.53円前後がサポートとなるか見極めたい。割り込めば90日線や日足一目・雲の下限が位置する138円半ばが次の支持帯になるか。