【トレード・イメージ】 ECBによる追加緩和の思惑後退が下支え
2014年03月03日 15:52

先週末のユーロは、予想比強めのユーロ圏2月消費者物価指数(HICP)・速報値の結果を受けて上昇した。ユーロ圏2月消費者物価指数が+0.8%と市場予想+0.7%を上回ったことで、6日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加緩和思惑が後退した。ユーロドルは昨年末以来の1.38ドル大台に乗せて、ユーロ円も141円前半まで上げ幅を拡大した。本日のユーロは、ウクライナ情勢への警戒感からやや上値の重い展開が続きそうだ。ロシア議会は、プーチン大統領が求めていたウクライナへの軍事介入を承認した。ウクライナ情勢への緊迫感から、投資家のリスク回避の動きは一段と強まっている。また、6日のECBの追加緩和観測は後退したとは言え、ユーロ圏のインフレ率がECBの目標を大きく下回っている状況が続いており、いずれはデフレ回避へ追加緩和に踏み切ると見ている市場関係者も多く、ユーロの上値は限られそうだ。本日は、ドラギECB総裁の欧州議会で証言が予定されており、その内容に注目したい。
・想定レンジ上限
ユーロドルは、先週末28日の高値1.3826ドルが上値めど。その次が、昨年12月27日の高値1.3894ドル。ユーロ円は、140.19円付近の5日線がレジスタンス。上回れば、節目の141.00円や2月28日の高値141.12円が次の目標となるか。
・想定レンジ下限
ユーロドルは、5日線の1.3741ドルや日足一目均衡表・転換線の1.3734ドルが下値めど。1.37ドル大台を下回っても21日線1.3674ドル付近が支えとなりそうだ。ユーロ円は、日足一目均衡表・基準線の138.75円が下値めど。その下は、2月7日安値の138.17 円が押し目水準として意識されそうだ。
