【トレード・イメージ】 ドル/円 新興国リスクは懸念も本日の動意は限られるか

2014年01月27日 20:00

 ドル円は、週明け早朝の市場で新興国の懸念を嫌気したリスク回避の円買いが先行し、昨年12月6日以来の102円割れとなって101.77円の安値をつけた。取引の薄い時間帯にやや突っ込み気味に売り込まれた反動もあって、その後は緩やかに戻している。東京タイム午後以降は、102円半ばを中心に上下。欧州入りにかけて円売りが進み、102.77円まで上昇する場面もあった。しかし独1月Ifo景況感指数が市場予想を上回り110.6と3カ月連続の上昇となり、2011年7月以来の高水準を記録したことからユーロドルが上昇。対ユーロでのドル弱含みが重しとなり、一時102.30円付近まで下押すなど反発力は限定的だ。
 本日はNYタイムに米12月新築住宅販売件数の発表が予定されている。市場予想は45.5万件と、前月の46.4万件より減速を見込んでいる。天候要因の悪影響が想定されているもようで、指標の悪化が新興国リスクで停滞している市場のムードをさらに重くしないか心配される。ただ、より大きな関心は新興国リスクが28-29日の米FOMC(連邦公開市場委員会)での追加的な緩和縮小を妨げないか、緩和縮小が実行されたとしたら市場をさらに減速させないかであり、本日の指標結果を受けた動意は限定的かもしれない。
 
・想定レンジ上限
 上値のめどは、まず心理的節目103円となるが、その上に103.30円付近へ低下してきた5日移動平均線、日足一目均衡表・転換線103.46円、同基準線103.72円が控えており、103円台は重く見える。
 
・想定レンジ下限
 週明け早朝の市場でつけた安値101.77円や、昨年12月5日安値101.62円が位置する102円割れの水準では下げ渋るか。これらの水準を下抜けてくると、101.17円前後で上昇中の90日移動平均線を試すことになる。