【これからの見通し】ドル/円 シナリオ絞られドル円は徐々に底堅い推移へ

2014年03月04日 18:12

みずほ証券・投資情報部 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏
 
ウクライナ問題、シナリオ絞られドル円は徐々に底堅い推移へ
 
 ウクライナ問題に関しては今後のシナリオが幾つかに絞りこまれてきた印象を受ける。ロシアにとってロシア系住民の多いクリミナ半島の制圧は譲れないため、グルジアへの介入時のように短期間で一気に制圧する可能性が高い。NATOとロシアがウクライナを挟んで軍事衝突することや、租借権のあるウクライナの土地の権利をしっかり固めて軍を撤退させるなどのパターンも想定される。事態が長引きロシアがウクライナを中途半端に占領すれば、先進国による経済制裁が発動される公算が高くなる。ロシアからパイプラインを通じて天然ガスを大量に購入しているEUにとっても問題の長期化は望んでおらず、景気低迷にあえぐロシアにとっても痛手となることから、一両日中には前述のシナリオのどれかで落ち着くのではないか。ある程度、先行きのパターンが固まってきたことで、過度の不透明感から進んだリスク回避姿勢がいったん緩み、ドル円も下げ渋っている状況だろう。こうしたなかで欧米市場で新たな火種によってリスクオフが高まらなければ、ドル円は徐々に底堅さを増していくと想定したい。
 
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