【ここからの見通し】 新興国の懸念に打つ手乏しいがドル円は102円がしっかり

2014年01月30日 15:55

昨晩の欧米時間に東京時間では和らいでいた新興国懸念が再燃し、FOMCでは新興国懸念に触れずして量的緩和策の縮小ペースを加速、市場はリスクオフに傾いた。先日のインド中銀の予想外の利上げに続いて、昨日はトルコ中銀が大幅利上げ、南アフリカ中銀も約6年ぶりとなる予想外の利上げを決定したが、新興国資産からの資金流出は止まっていない。各国企業のドル買いの動きや、ヘッジファンドなどの投機的な動きも相場の揺れを大きくしており、引き続き新興国市場の先行き見通しは立たない。当局に残された手段は乏しく、政情不安の中での政治的解決も難しく、しばらくは市場の話題の中心となりそうだ。
 
市場はリスク回避の円買いに傾きやすいがドル円は102円割れがしっかりしている。27日東京朝方の101.77に昨日NY後半には101.85と顔合わせしたが、それぞれ101円台の滞空時間は短くすぐに102円台に戻している。公的な支えもありそうだ。日本の個人投資家の逆張り的な買いも入りやすく、下値は意外に底堅い可能性はある。
今晩はユーロ圏の景況感やドイツ雇用統計にドイツ消費者物価指数、米GDPや米失業保険申請件数など重要な経済指標が続く。市場は値動きが軽くなっており引き続きイベント前後にも注意を要したい。