NY為替概況 強い米雇用統計でドル買い強まる ドル円は一時119円台に上昇
2015年02月07日 08:00
きょうのNY市場はこの日発表になった米雇用統計が強い内容となったことでドル買いが強まっている。このところ、米経済の先行き懸念も台頭しており、米利上げ期待を後退させる動きも出ていただけに、きょうの米雇用統計は心強い内容となったようだ。
失業率は悪化したものの労働参加率の上昇によるところも大きく、注目の平均時給も、前回から一転し大幅な上昇を見せた。賃金上昇圧力が強まりそうな気配も見せている。原油安の影響でエネルギー産業のリストラ計画なども伝わっていたが、鉱業部門の雇用者数は、減少こそしていたものの、僅かな減少幅に収まっている。ただ、こちらはこれから統計に出てくる可能性もあり引き続き要注意ではある。
とりあえず、きょうの米雇用統計は6月の利上げ開始見通しを裏付ける格好となり、一部、米地区連銀総裁もその見解を示していた。
ドル円は119円台に一時上昇し、120円台に向けて一気に狼煙を上げた格好。原油が下げ止まりの気配を見せていることもドル円にとってはサポートとなった。このところ方向感の無い展開が続いていたが、上放れの気配も出ている。ただ、ギリシャ情勢が依然として混沌としており、来週以降の展開を待ちたいところもある。
ユーロドルは売りが強まっている。S&Pがギリシャを「B-」に格下げし、更なる引き下げの可能性を示していたことも重石となった。ただ、1.13台は維持しており下値ではそこそこ買いも入っていたようだ。
米国とユーロ圏の格差を考えれば、更に下押ししても良さそうだが、これまでのユーロ売りでショートポジションがかなり積み上がっているものと見られ、きょうの米雇用統計はショートポジションの調整には好機ともなっていたようだ。