NY為替概況 強い米雇用統計でドル全面高、株安で円買いも
2015年03月07日 11:49
NY為替市場では強い米雇用統計を背景に、ドルが全面高。2月の雇用統計は悪天候の影響も懸念されたが、非農業部門雇用者数は市場予想を大きく上回る29.5万人増となり、同失業率は約6年ぶりの低水準となる5.5%に改善された。気がかりは賃金の伸びが依然として鈍く、平均時給は前月比で市場予想をやや下回る0.1%増にとどまった。
強い米雇用統計を受けて、17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で「忍耐強く」という文言が削除され、6月のFOMCで利上げが開始されるとの思惑が高まった。関連市場では、米10年債利回りが昨年末以来の高い水準となる2.25%台に上昇した一方で米株は大幅反落。ダウ平均は前日比300ドル安水準まで下げ幅を拡大した。ラッカー米リッチモンド連銀総は、利上げ時期は6月が有力候補であり、3月のFOMCでは「辛抱強く」文言が主要議題になるとの見解を示した。
ドルが全面高。ドル円は121.29円まで上昇し、昨年12月8日以来の高値を付けた。ただその後は、米株の大幅下落を受けたリスク回避の円買いの動きが強まり、120円後半に上げ幅を縮小した。9日から欧州中央銀行(ECB)による国債購入開始を背景に、軟調な動きが続いているユーロドルは1.0839ドルまで大幅下落した。また、ポンドドルは1.5032ドル、豪ドル/ドルは0.7706ドル、NZドル/ドルは0.7358ドルまで弱含み、ドル/スイスフラン(CHF)は0.9867CHF、ドル/加ドルは1.2627加ドルまでドル高が進んだ。加ドルは、1月貿易収支が過去2番目に大きな赤字額となったのも嫌気された。
株安を背景とした円買いの動きも見られ、クロス円は軟調な動き。ユーロ円は130.90円、ポンド円は181.49円、CHF円は122.35円まで大幅下落した。資源国通貨も、豪ドル円は93.06円、NZドル円は88.84円、加ドル円は95.63円まで弱含んだ。