NY為替概況 ユーロ買い先行も後半はドル高に傾く

2015年01月20日 07:41

NY為替市場は、ユーロやドルに買い戻しが散見された。前半は、22日のECB理事会を前にユーロのショートポジションを巻き戻す流れがじわりと進んだ。ただ、この流れも後半になると一服。米国との金融政策の方向が違うことが意識されて、ユーロ売り・ドル買いへ傾いた。米ウォールストリート・ジャーナル紙は「米国は利上げを先送りする用意がない」と報じた。とはいえ、キング牧師生誕記念日の祝日で、米国勢が不在の中、明確な方向性は定まりづらかった。
 
ユーロドルは、一時1.1639ドルまで上昇。ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、「ユーロ圏の長期の景気停滞に対するECBの選択肢は限られている」と述べ、ECBが経済政策の肩代わりはできない旨の認識を明らかにした。これを受けて、22日のECB理事会で仮に国債購入が決定されても、市場予想よりも購入額が小規模になるとの思惑がくすぶり、ユーロ買い戻しにつながったもよう。ユーロ円も136.80円まで上昇した。対スイスフラン(CHF)で、ユーロを買い戻す流れが続いたことも、ユーロの上昇を後押しした。ただ、後半はドル高に傾いたため、ユーロの上値は限られた。
 
かたやCHFは軟調。足もとの急上昇の反動から利食い売りに押され、ドルCHFは0.8799CHF、CHF円は133.61円、ユーロCHFは1.02150CHFまでCHF安推移。CHF円の本日の値幅は4円弱と、先週末の6.70円からは縮小したが、ボラティリティの大きな流れが続いている。
 
ドル円はしっかり。前半はユーロ円の反発に支えられたほか、後半はドル買いが後押しとなって、前週末高値をわずかに上回る117.79円まで上昇した。
 
その他のクロス円は、ドル円の動向と他通貨がドルに対して緩んだことに挟まれて、方向が定まらなかった。ポンド円は178.40円まで上昇後に177円後半へ下げた一方で、加ドル円は98.55円まで終始じり高で推移した。また、この日発表された加11月国際証券取引高は42.9億加ドルの流入と、10月の95.3億加ドルの流入から減少したが、市場への影響はほとんどなかった。