NY為替概況 ドル全面高、ユーロドル1.10ドル大台割れ

2015年03月06日 07:46

NY為替市場ではドル全面高。米新規失業保険申請件数は市場予想の29.5万件に対し32.0万件と、9カ月ぶりの高水準となった。米1月製造業受注指数は前月比プラス予想に反し-0.2%となるなど、この日の米指標はさえない結果となったものの、強いドル売りの動きは見られなかった。資源国通貨・ユーロ安を背景に、ドルは主要通貨に対して堅調だった。ドル円は120円前半で底堅く、120.40円まで上値を伸ばした。だた、引き続き120円半ばでの重さは意識され伸び悩んでいる。
 
ユーロは軟調。欧州中央銀行(ECB)は市場予想通りに主要政策金利と上限・下限金利を据え置いた。ECBが成長見通しを上方修正したことを好感し、ユーロが一時的に強含む場面もあったが、ユーロ買いは一時的。ユーロドルは1.1115ドルを高値に1.0988ドル、ユーロ円は133.58円を頭に132.13円まで弱含んだ。ユーロドルは2003年9月以来の1.10ドル大台割れとなった。ドラギECB総裁は、17年のインフレ率は目標の2%をやや下回る1.8%までの上昇が見込まれるとした一方で、「今後数カ月は非常に低く、ネガティブインフレを予想」すると述べた。また、3月9日から開始する国債購入について、状況次第で終了を予定している2016年以降も継続させる可能性を示唆した。ポンドドルは1.5215ドルまで小幅下押し、ポンド円は183.73円を頭に182円後半に水準を切り下げた。また、スイスフラン(CHF)も軟調。ドルCHFは0.9750CHF、CHF円は123.22円までCHF売りが進み、対ドル・対円でともに1月15日にスイス国立銀行が対ユーロでの上限を撤廃して以降のCHF安値を示現した。
 
資源国通貨は一段安。NZ準備銀行の新たな不動産投資規制をめぐる思惑が引き続きNZドルの上値を圧迫し、NZドル/ドルは0.7454ドル、NZドル円は89.62円まで下げ幅を拡大した。また、豪ドル/ドルは0.7754ドル、ドル/加ドルは1.2519加ドル前後までドル高・資源国通貨安が進み、豪ドル円は93.18円、加ドル円は95.96円まで安値を更新した。