NY為替概況 ドルが下落、FRB議長は利上げ急がず

2015年02月25日 07:38

NYタイムは、ドルが主要通貨に対して下落。注目された半期議会証言で、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、利上げに対して柔軟な姿勢を示したことが要因となった。ドル円は118.75円まで下落した。関連市場では、米長期金利は2.0%割れまで低下した。
 
イエレンFRB議長は、「雇用情勢はさらに改善の余地がある」、「『辛抱強い』の意味は、次の2会合で利上げの可能性が低いことを示唆」と語った。ただ、これより先には、「利上げ前にフォワードガイダンスを変更する」、「ガイダンスの変更後は、どの会合でも利上げ可能を意味する」、「失業率の段階的低下が可能なほどにGDPは強い」などと、金融政策の向きは、あくまでも利上げ方向であることを暗示させた。この発言を受け、ドル円は119.84円と12日以来の高値をつける場面があった。
 
ユーロドルはレンジ上限を拡大。ユーロ圏財務相会合が、ギリシャが提出した新たな経済措置パッケージを承認したほか、米国の利上げ期待に修正が入ったことが手掛かりに。イエレン議長の証言を受けて瞬間1.1288ドルまで下げたが、その後1.1359ドルまで反発した。
 
また、資源国通貨もしっかり。米国との金利差が意識されたほか、米国の消費拡大への期待が下支えとなり、豪ドル/ドルは0.7837ドル、豪ドル円は93.23円まで上昇幅を広げた。加ドルも堅調。ポロズBOC総裁が「1月の利下げは保険」と述べ、追加利下げ観測が後退したことが支えとなった。ドル/加ドルは1.2479加ドルまで加ドル高推移。加ドル円は94円後半まで買い進まれた後、ドル円の下落に連れて94.17円まで反落した。しかし、BOC総裁の発言を受けて95.28円まで急反転した。もっとも、ポロズBOC総裁は「必要なら追加措置の可能性も」とも述べたことから、買い一巡後は上昇の勢いは和らいだ。
 
この日発表された米経済指標は強弱まちまち。米12月S&P/ケースシラー住宅価格指数・前年比は+4.46%と、11月から伸びが拡大した。一方で、2月消費者信頼感指数は96.4と前月の103.8から低下したほか、リッチモンド連銀製造業指数は景況判断の分岐点であるゼロに落ち込んだ。