NY為替概況 イエレン発言でドル売り、タカ派色を微調整

2014年04月01日 06:31

為替市場ではドルが売られた。米3月シカゴ購買部協会景気指数が弱く、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が「経済には異例の支援が当面必要」、「米経済と労働市場にはかなりのたるみがある」などと述べたことが手がかり。イエレンFRB議長は前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会見におけるタカ派色に調整を加えた格好で、米2年債利回りは低下し、米10年債利回りは伸び悩んだ。米株価指数はこのコミュニケーション調整を好感して堅調に推移した。こういった手がかりとは別に、月末・四半期末のためロンドンフィックスにかけてはポンドやオセアニア通貨に買いが持ち込まれた。
 ドル円はリスク選好パターンのなかで103.44円まで上昇後、103円割れへと失速。米2年債利回りの低下が重し。ドル円につれクロス円の上値は重くなり、ユーロ円は142.62円の高値から141.80円付近まで押し戻された。加ドル円は強い加GDPを手がかりに93.91円まで上げたが、その後は93円前半へと上げ幅を縮小した。ただ、米株高を背景にドル円・クロス円の下値は支えられた。
 一方でオセアニア通貨は堅調。弱含んでいた豪ドル/ドルやNZドル/ドルが反発に転じ、それぞれ0.9278ドル、0.8685ドルまで上昇。豪ドル円は95.74円まで値を上げ、昨年6月以来の高値をつけた。NZドル円は89.59円まで上昇し、2007年11月以来の高値を更新。ポンドドルは1.6684ドル、ポンド円は172.12円まで堅調に推移した。
 ユーロドルはイエレンFRB議長の発言を受けて1.3810ドルの高値をつけた。この日発表されたユーロ圏消費者物価指数(CPI)ではディスインフレ傾向が強まっていたが、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測によるユーロ安圧力よりもデフレ通貨として上昇圧力が強まっている。主要国のなかでディスインフレ傾向が明確なのはユーロ圏だけであり、過去の円相場のような様相を呈してきた。ただ、1.38ドル前半では抵抗感があり、1.37ドル後半まで押し戻されている。