NY為替概況 米株が大幅安、リスク回避の円買いに

2014年05月16日 06:40

NYタイムは、米株の大幅下落によるリスク回避の円買いや、さえない指標や株安を受けた米長期金利低下から対ユーロでのドル売りが進んだ。ダウ平均が一時200ドル超えの下落となるなど米株が弱い動きに。米10年債利回りは昨年10月30日以来の水準2.472%まで低下した。ドル円は直近の節目だった4月11日安値101.32円を下回り、3月19日以来と約2カ月ぶりの安値101.31円まで下落。クロス円でも円買いが進み、ユーロ円は2月27日以来の139円割れとなる138.98円、ポンド円は170.17円まで水準を下げた。資源国通貨も、豪ドル円が94.73円、NZドル円は87.48円、加ドル円は93.06円まで下落幅を広げた。NY午後には米株も安値圏ながら下落の勢いを緩め、日経平均先物も下げ渋った。米長期金利が持ち直し、ドル円は101円半ばを回復。クロス円も下げ渋った。
 対ドルではユーロの上昇が目立った。ロンドンタイムには、ECB当局者のハト派的発言やユーロ圏経済の回復が想定よりも緩やであるとの見方から1.3648ドルまで売り込まれていた。ドイツを除くユーロ圏各国のGDPが軒並み弱い結果で、ユーロ圏全体のGDPも市場予想に届かず、景気減速への不安もあった。しかしNYタイムに入ると、米長期金低下をともなう対円でのドル売りなどを手掛かりに、昨日の水準を上回る1.3733ドルまで上昇。ただ、ユーロ円の下落が上昇の勢いを緩和した。ポンドは、対ユーロでのポンド売りに押されながらも、対ドルでは一時1.6806ドルまで水準を回復した。資源国通貨は対ドルでも上値が重かった。ユーロドルやユーロポンドの上昇にともなうユーロ買い・資源国通貨売りが重しとなったもよう。豪ドル/ドルは一時0.9327ドル、NZドル/ドルは0.8627ドルまで下落。ドル/加ドルも1.08加ドル後半の加ドル安水準に傾いて推移した。
 スイスフラン(CHF)はNYタイムにおいては底堅かった。ロンドンタイムには欧州通貨売りの流れに押され、ドルCHFは0.8960CHF、CHF円は113.76円までCHF売りが進んでいた。しかし米指標のさえない面や米株の下落を受けてリスク回避姿勢が強まると、円同様に安全資産とされるCHFに買いが集まった。ドルCHFは0.8883CHFまで、CHF円は114円前半までCHF高となった。
 
 
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