NY為替概況 ISM強くドル買い優勢に 軍事介入への懸念は強める

2013年09月04日 07:11

3日のNY市場はドル買いが優勢となった一方、円相場は後半になって円安の動きが一服。この日発表になった米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことで、早期QE縮小開始期待が高まっており、一方でシリアへの軍事介入への警戒感は強まっている。

ISM指数は2011年6月以来の水準を更新。雇用指数こそ前回より低下していたものの、その他の受注や生産が強く、製造業のセンチメントは改善が続いている。直近発表になっていた企業の景況感指標は弱い内容が相次いでいただけに、きょうのISMの結果は安心感をもたらしている。同時に早期QE縮小開始期待を高め、米10年債利回りは直近の高水準を一時更新していた。ただ、QEに関しては週末の米雇用統計を待つといった雰囲気も一方で強い。

一方、シリアに関しては、ベイナー米下院議長(共和党)とぺロシ民主下院院内総務がオバマ米大統領の軍事介入に賛同の意向を表明したことで、市場は来週から再開される議会での承認されるのではとの見方を高めている。ただ、オバマ大統領は軍事行動は限定的なものに留まるともしており、市場は影響を測りかねているといったところ。

ドル円はISM指数発表直後に99.85付近まで上昇し、100円に迫る場面も見られた。消費税増税の見方が強いことや、今週は新規投信設定も多いなど、国内の要因もドル円をサポートしている。ベイナー発言を受けて一時99円台前半まで失速したが、米株が粘り強い動きとなっていたこともあり、終盤には99円台半ばまで戻した。100円までには実需売りも観測され、週末に米雇用統計も控えていることから、100円台にのせたとしても、それなりに戻り売りも出そうだ。

ユーロドルは一時1.3140近辺まで下落。下値では短期筋のショートカバーも観測されているが、下げが急ピッチで買い戻しが出てもおかしくはない。ただ、テクニカル的には下げトレンドを強めていると言える。10日線と21日線はデットクロスを示現しており、7/9-8/20上昇波のフィボナッチ38.2%戻しの水準も下回ってきた。目先は100日線が1.3135付近にありサポートとして意識される。