NY為替概況 28日 円修正安、シリア情勢で進展待ちの様相

2013年08月29日 06:15

 NYタイムではドル円やクロス円に買い戻しの動きが継続した。化学兵器の使用疑惑で、西側諸国がシリアに対して軍事介入を実施するとの見通しも根強いが、シリアを査察中の国連調査団が、調査完了に4日を要するとの見解を示したことで、性急な軍事攻撃への懸念がいく分後退したことも円相場や関連市場に調整を促した。米国務省報道官からは、「シリアに対し数日以内に適切な行動をとる」との声明が聞かれたが、詳細な決定はまだ下っていないようで、進展待ちの様子もあった。前日の反動で米株高・債券安が進むなか、ドル円は97.84円まで上昇。豪ドル円は87.51円、NZドル円は76.27円、加ドル円は93.37円まで日通しの高値を更新した。
 対ドルはまちまち。ユーロドルは対ポンドで月末のリバランスに絡んだユーロ売りが持ち込まれたこともあり、前日安値を割り込んで1.3305ドルまで下落。ユーロ円も他のクロス円が戻り高値を更新するなかで130円前半での重い推移が続いた。一方、豪ドル/ドルは0.89ドル半ば、NZドル/ドルは0.78ドル付近まで底堅く推移。ユーロ安が豪ドルやNZドルにも波及したことや、クロス円の反発が下値を支えた。
 ポンドドルはカーニー・イングランド銀行(BOE)総裁の講演が伝わるとやや荒っぽい動きに。市場金利が回復を阻害すれば、追加緩和を実施する準備があると述べたが、英景気回復基調が継続する兆候があると先行きには楽観的な見方を示した。英金利上昇をけん制する発言はあったが、米国ほど明確ではないフォワードガイダンスの運用方針に懐疑的な見方も多く、ポンドドルは1.5427ドルまで下値を広げた後は1.5555ドルまで反発。ポンド円は円の修正安も相まって151.91円まで上値を伸ばした。
 6時現在、ドル円は97.64円、ユーロドルは1.3340ドル、ユーロ円は130.24円で推移。