NY為替概況 米住宅指標弱くドル売り強まる きょうの指標はやや気掛かり

2013年08月24日 06:37

23日のNY市場はドル売りが優勢となった。この日発表された7月の米新築住宅販売が予想外に弱い内容となったことで、早期QE縮小期待が後退している。

きょうはアジア株の下げが一服していたこともあり、ドル円は99円台に上昇して始まっていたが、一時98.40近辺まで下落する場面も見られている。ドル円の下落に連れられてクロス円も軟調な動きとなった。

一方、ユーロドルは一時1.34台に上昇。1.34台ではアジア系中銀の売りオーダーも観測され、推移は続かなかったものの、1.33台後半の水準は維持し、しっかりした動きは続いている。

このところユーロ圏の景気回復期待が強まっており、また、新興国経済への不振感も高まる中、ユーロへの見直し買いが続いている。イタリア中銀幹部は長い低迷を抜けて、景気に初めて緩やかな回復の兆候が見られている。少なくとも下落の動きは止まっていることが、様々なデータから確認されているという。

きょうの7月の新築住宅販売は、かなり気掛かりな内容ではある。販売件数の低さはもちろんのこと、在庫水準も1か月分近く増加している。直近発表されている米住宅建設業者の景況感指数であるHAHB指数は強い内容が続いていることもあり、もしかすると、作ったは良いが販売できていない可能性も疑われる内容。

米国債利回りは5月から上昇しているが、それにあわせて住宅ローン金利も上昇しており、直近のデータでは約2年ぶりの高水準に上昇している。

今週は7月の中古住宅販売件数も発表されていたが、かなり強い数字が示されている。ただ、中古住宅販売件数データは物件の引き渡し時点のデータであることから、契約自体は1~2ヵ月前となる。その一方で、きょうの新築住宅販売件数は契約時点のデータ。

住宅ローンは契約時に組むであろうから、中古では出ていなかった金利上昇の影響も、新築では出て来ている可能性も捨てきれない内容ではある。