NY為替概況 ドル売り優勢 QEや財政協議への不透明感が圧迫

2013年09月28日 07:00

きょうのNY市場は再びドル売りが強まった。QE縮小開始に対する不透明感が強まる中、米財政協議も妥協点が見出せず次第に市場の不安感も強まり出している。景気への影響を懸念する向きも出始めているようだ。
 
米財政協議に関しては、下院がオバマ大統領の医療保険改革法(オバマケア)の資金凍結を盛り込んだ12月15日までの暫定予算案を可決していたが、きょうは上院がオバマケアの資金凍結を削除した11月15日までの暫定予算案を可決した。それに対して下院が再度どう出るか焦点となるが、今度は10日間のみ資金を手当てする暫定予算案が共和党内で浮上しているという。いずれにしろ、9月末の期限に向けて非常に混沌として来ている。
 
最終的には決着すると楽観視していた市場も気掛かりになって来ている模様。
 
米株は下落し、米10年債利回りも意識されるポイントの2.60%まで下げる中、ドル円は98円台前半まで値を落とした。大手米銀からの売り推奨も出ていたようだ。
 
一方、ユーロドルは買いが強まり一時1.3560近辺まで上昇し、FOMC直後の高値水準に並んだが、さすがに売り圧力もあり1.35台前半に伸び悩んでいる。
 
一部でイタリアが今週中にも格下げされるのではとの噂が市場に流れていたが、それについてイタリア当局は、格付け会社からは何の事前報告も受けていないと述べ、イタリア国債の格付けがきょうにも引き下げられるとの市場の噂を否定した。ただ、イタリア政府が草案として10月に実施予定の付加価値税(VAT)増税を1月まで延期すると伝わっており、財政再建後退となれば、噂が真実になる可能性は十分に考えられる。
 
ドルも不安感に苛まれているが、ユーロも不安が絶えない状況ではある。そのような中、ポンドはしっかりしており、ポンドドルは1.61台を回復し本日の高値圏も維持した。
 
一方、豪ドルは来週の豪中銀理事会が控えていることもあり、対ドルでも軟調な動きが続いた。金融政策は据え置きが濃厚となっているが、これまでも豪中銀は豪ドル高に警戒感を示し続けてきており、豪ドル売りを誘発するような声明が出る可能性も警戒される。