NY為替・9日 資源国通貨が堅調 中国指標の改善好感

2013年08月10日 09:58

 NYタイムは、円買い・ドル買いが優勢。決め手となる材料はなかったが、ロンドン午前までの円売り基調は一服し、ロンドン・フィックスにかけては本邦の外債投資の利払いに関連した円転が意識されたもよう。また、軟調な株価動向もリスク回避に伴う円買いを誘発した。一方で、オセアニア通貨は堅調。中国経済の好調さを示唆する指標結果が続いていることで、経済的な結びつきが強いオセアニア地域への好影響が期待された。加ドルは雇用統計の結果が予想より悪かったことで売りが先行したものの、資源需要の増加期待からオセアニア通貨と同様に底堅い動きへ転じた。
 ドル円は、ダウ平均が前日比で一時150ドルほど下げたことや軟調な大証日経平均先物の推移を受け、96.10円台まで下落。終盤にかけ、米10年債利回りがロンドンタイムにいったん下げ止まった2.578%を割り込んで2.573%まで低下すると、96.13円まで下落幅を広げた。
 欧州通貨も軟調。ユーロやポンドは、昨日の米株価上昇局面ではリスク選好のドル売り・他通貨買いで上値を伸ばしたものの、本日は株価が週末を控え調整安となったことから、ユーロドルは1.3333ドル、ポンドドルは1.5496ドルまで下落。ドル/スイスフラン(CHF)も0.9230CHFまでのCHF安となった。クロス円でも欧州通貨安が進み、ユーロ円は128.32円、ポンド円が149.09円、CHF円は104.27円まで下落幅を拡大した。
 一方、オセアニア通貨は堅調。中国経済指標の改善を通じて、同国や世界経済のもち直しへの期待から、豪ドル/ドルは0.9217ドル、NZドル/ドルは0.8058ドルと、ともに7月29日以来の高値をつけた。オセアニア通貨は対円でもしっかりで、豪ドル円は88.78円、NZドル円は77.63円まで週高値を更新した。
 加ドルは、売り先行も底堅い展開に。加7月就業者数が-3.94万人と、市場予想の+1万人に反して減少したほか、同失業率も7.2%と前月から悪化したことで、ドル/加ドルは1.0354加ドル、加ドル円は93.01円まで加ドル売りが進行。しかし、同じく資源国通貨であるオセアニア通貨や原油先物価格の上昇を手掛かりに加ドル安が修正され、ドル/加ドルは1.0275加ドル、加ドル円も一時93円後半まで水準を戻した。