NY為替 30日 ドル高・円高先行も週末控えて徐々に膠着

2013年08月31日 06:32

 NYタイムでは、ロンドンフィキシングにかけてドル買い・円買いが強まった。米国の連休を控え、週末・月末要因の持ち高調整のドル買いフローが入ったほか、シリア情勢への警戒感も背景にリスク回避的な流れも加わった。シリアで査察中の国連調査団は任務を完了したようで、31日には同国を離れる見通し。英議会が軍事介入を否定する決議を採択したことで米国の動向に注目が集まっている。米ホワイトハウスは化学兵器使用疑惑に関する情報当局の分析結果として、8月21日を含め、シリア軍が化学兵器をこの1年で複数回使用したことに強い自信があると公表した。サウジアラビアが西側諸国の軍事介入に備えて軍の警戒レベルを引き上げるなど、週末を挟んで事態が進展することも想定され緊張感も高まり、欧米の株価が下落したこともドルや円への買いを促した。なお、この日発表された米7月個人所得は市場予想を下回る伸びにとどまったが、8月ミシガン大学消費者信頼感指数は速報値から上方修正されるなどまちまち。来週には米雇用統計やISM景況指数の公表が予定されており、経済指標への感応度は低かった。
 ポンドドルは1.5463ドル、豪ドル/ドルは0.8892ドル、NZドル/ドルは0.7721ドルまで日通しの安値を塗り替えた。クロス円もポンド円が151.68円、豪ドル円は87.24円、NZドル円は75.75円まで下値を拡大。またユーロドルは1.3173ドルまで売りに押され、先月25日以来安値を示現。ユーロ圏失業率の高止まりや、ノボトニー・オーストリー中銀総裁が、ECBの金利引き下げの可能性に言及したことも尾を引いたもよう。前日来のユーロへの調整売りもフィキシングに向けて継続した。ユーロ円も130円前半から129.31円まで反落した。午後になると値動きは徐々に落ち着いたが、豪ドルやNZドルは株安や商品市況の下落が重しとなり、ほとんど買い戻しもなく安値圏で推移。ドル円はやや円高の流れが勝り、98.10円前後までじり安。ただし、これまでに形成したレンジ内での上下動に終始しており値動きは控えめだった。
 6時現在、ドル円は98.10円、ユーロドルは1.3220ドル、ユーロ円は129.67円で推移。